発達障害と仕事
発達障害のある人が抱えている働きづらさ、
就労支援を受けることで好転につながるかも
発達障害があるからといって、働くことをあきらめる必要はありません。発達障害がない人でも、仕事の“向き・不向き”があったり、職場の人間関係で悩みを抱えていたりすることがあります。
一方で、発達障害があっても、それぞれの特性にあった仕事を選ぶことで、やりたかった仕事や夢を実現している人はたくさんいます。また、特性に応じて仕事内容や職場環境の調整を行う“環境調整”などの工夫や支援を受けることによって、働きづらさを解消することができます。
発達障害があることを勤務先へ
伝えるかどうかは自分で決めていい
発達障害があることを勤務先へ伝えるかどうかで悩んでいるかもしれませんが、あなたに報告する義務はありません。伝えたくなければ、無理に伝えなくても構いません。
発達障害に理解のある職場であることが分かっていれば、あらかじめ伝えておいてもよいでしょう。
発達障害があることを伝えることで周囲に自分をより良く理解してもらい、適切な支援や配慮を受けられることもあります。それが、働きづらさの解消につながるのであれば、伝えておくメリットはあります。けれども、発達障害に対する周囲の理解が十分ではない職場がまだまだ多いのが現状。そのため、発達障害があることを勤務先へ伝えるかどうかは、慎重さが求められます。
職場の状況をよく考え、ときには家族や支援者にも相談してみましょう。
一般雇用での就職と
障害者雇用での就職
発達障害のある人が就職を希望する場合、「一般雇用」と「障害者雇用」の両方の選択肢があります。
一般雇用での就職は、障害者雇用よりも職業の幅が広かったり、自分のもつ発達障害の特性のよい面を強みとしていかせるケースもあります。ただし、一般雇用におけるサポートが充実している職場は日本ではまだわずかで、障害者雇用のサポートが充実している傾向にあります。
障害者雇用での就職は、職場でそれぞれの特性に応じたサポートを受けながら働くことができます。
ただし、障害者雇用で就職する場合は、精神障害者保健福祉手帳を取得していることが必要です。
発達障害のある人が
受けられる就労支援
もし、「採用面接に限界を感じている」「仕事で失敗ばかりでもっと自分に合った仕事や働き方を見つけたい」などの思いがあれば、ひとりで悩まず、専門家に相談してみませんか?
発達障害のある人が受けられる就労支援には、各地域の公共職業安定所(ハローワーク)や障害者就業・生活支援センターなどで受けることができる就労支援プログラムがあります。そのほかにも、民間企業による就職・転職支援や就労移行支援があります。
就労支援機関で受けられるサポートの例
- カウンセリングなどの就職相談※
- 発達障害のある人に対する職業訓練
- 職場に適応しやすくするために各特性に合わせてジョブコーチが出向き支援
- 就業と生活の両面についての相談・支援
- 仕事内容や環境への調整サポート
など
発達障害のある人が仕事について
相談できる機関やサービス
発達障害のある人が仕事について相
談できる民間のサービス(50音順)
株式会社Kaien
・就労移行支援 ・自立訓練(生活訓練)
・学生向け「ガクプロ」
・求人サイト「マイナーリーグ」
発達障害の強みを活かした就労・自立支援のサービスや、学生支援、求人リストに関する情報を掲載しています。
本文中に使用されている専門用語(アンダーラインのついたもの)については発達障害関連ワード集に詳しく説明があります。