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大人の発達障害を知る数字から知る
発達障害

発達障害について調べるとき、ふと「みんなはどうなんだろう?」と思ったことはありませんか。
発達障害のある人は、何歳で診断されたのか、どんな仕事をしているのか、など、客観的な数字と傾向をまとめました。

発達障害の診断時期:大人になってからも診断される人は多い

発達障害の診断時期:大人になってからも診断される人は多い

未成年(0~19歳)で
発達障害と診断された人

0

(2016年)

0歳20歳

20歳以降に
発達障害と診断された人

0

(2016年)

年齢不詳:約13,000人

80歳

年齢不詳:約13,000人

※出典:
平成28年 生活のしづらさなどに関する調査 -厚生労働省 社会・援護局障害保健福祉部(平成30年4月9日)を加工して作成

発達障害は小児期に診断されるものと思われている方が多いかもしれませんが、実は成人で診断される人の方が多いです。
もし、ご自身の発達障害の特性により、日常生活に生きづらさを感じている場合、相談窓口や医療機関で、専門家に相談することができます。

大人になってから注意欠如・多動症(ADHD)と診断された人の方が多い

大人になってからADHDと診断された人のうち、約25%の人は小児期にADHDと診断されたことがあった一方、約75%の人は小児期までにADHDと診断されたことがなかったという報告(米国での報告)※もあります。

※Faraone SV, et al.: Arch Intern Med. 2004 Jun 14;164(11):1221-6.

子どものときにADHDと
診断されたことがなかった

0
※Faraone SV, et al.: Arch Intern Med. 2004
Jun 14;164(11):1221-6.

大人の発達障害ってどんな時に気づくの?

大人の発達障害とは

発達障害と診断された人の男女比

発達障害と診断された人の男女比

※出典:
平成28年 生活のしづらさなどに関する調査 -厚生労働省 社会・援護局障害保健福祉部(平成30年4月9日)を加工して作成

発達障害は、女性よりも男性に多い傾向がみられるというデータがあります。日本で発達障害と診断された人の数を男女別でみると、男性の割合が68.8%、女性の割合が29.9%となっています(不詳1.2%) 。このデータから、発達障害と診断された人の男女比は、およそ女性1:男性2.3ということがいえます。

一方、女性では男性よりも発達障害の特性があるかどうか分かりづらいという側面もあります。その理由として、男性の方が幼少期において発達障害の特性に気づかれやすいことや、女性の方が人とのコミュニケーションなどのソーシャルスキルが保たれている場合があるなどが考えられています。

発達障害のある人の仕事:幅広い職業で活躍することができる

【産業別】発達障害のある人の雇用が多い産業

医療・福祉
卸売業・小売業
サービス業

他にも
・製造業
・運送業、郵便業

【職業別】発達障害のある人が就いている職業

専門的・技術的職業
販売の職業
事務的職業

他にも
・サービスの職業
・運搬・清掃・包装等の職業

※出典:
厚生労働省職業安定局 障害者雇用対策課 地域就労支援室 平成30年度障害者雇用実態調査を加工して作成

発達障害のある人が働いている産業で最も多いのは卸売業・小売業で、次いでサービス業、医療・福祉となっています。また、発達障害のある人の職業で最も多いのは販売の職業で、次いで事務的職業、専門的・技術的職業です。

このように、ご自身の特性を理解し、日常生活の工夫をしたり、支援を受けることで、様々な職場で活躍することができます。
就労に困りごとを抱えている方は、誰でも各自治体や民間企業による支援・サービスを受けることができます。さらに、自立や社会参加のための支援・サービスを受けるために、精神障害者保健福祉手帳を取得するという選択肢もあります。いずれも個人の自由で選択することができます。

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大学・短大・高等専門学校での発達障害:社会での認知の高まりに伴い、約10倍に増加

大学・短大・高等専門学校での発達障害:社会での認知の高まりに伴い、約10倍に増加

障害のある学生のうち、
発達障害のある学生の割合

2006年度

2022年度

発達障害の学生数
(障害種別比率)

0

発達障害の学生数
(障害種別比率)

0
発達障害の学生数(障害種別比率)
※出典:
平成18年度(2006年度)大学・短期大学・高等専門学校における障害学生の修学支援に関する実態調査結果報告書/令和4年度(2022年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査結果報告書

報告書/令和4年度(2022年度)大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査結果報告書

発達障害という言葉や特性に関する認知が高まるにつれて、発達障害と診断される人は年々増えています。そのため、大学・短期大学・高等専門学校の学生でも、発達障害と診断されている人が増え、障害のある学生のうち発達障害のある学生の占める割合は14年間で約10倍に増加しています。2006年度には2.6%(127/4,937人)でしたが、2022年度には20.7%(10,288/49,672人)となっています。

数字やデータからもわかるように、
子どもの頃には気づかなくても、
大人になってから「発達障害かも?」
と思う人、診断される人はたくさんいます。
もしも今、日常に生きづらさや
困りごとを抱えているなら、
病院や相談窓口で専門家に相談を。
専門医による正しい診断が、
安心してあなたらしく過ごすための、
大きな力になります。

本文中に使用されている専門用語(アンダーラインのついたもの)については発達障害関連ワード集に詳しく説明があります。