ニューロ
ダイバーシティ
脳の多様性を
考えてみよう
ニューロダイバーシティとは?
ニューロダイバーシティとは、Neuro(脳・神経)とDiversity(多様性)という2つの言葉が組み合わされて生まれた、「脳や神経、それに由来する個人レベルでの様々な特性の違いを、多様性と捉えて相互に尊重し、それらの違いを社会の中で活かしていこう」という考え方です。
特に、発達障害において生じる現象を、能力の欠如や優劣ではなく、『人間のゲノムの自然で正常な変異』として捉える概念1)でもあります。
ゲノム:遺伝情報
ワンポイント
ニューロダイバーシティの発祥は、
周囲の人が「当事者の特性は強みになる」と気づいたこと
ニューロダイバーシティが世界的な取組みになったのは、スペシャリステルネという企業の創業者Sonne氏が、ASDのある方にソフトウェアテスターの適性があることに気づき、ASDのある人材を競争力として、ソフトウェアテストコンサルティング業を開業したのがきっかけです。のちに、世界的なIT企業であるSAP、マイクロソフトなどもこの動きに着目し、発達障害のある方の活躍する業界・職域が拡大しつつあります。
ニューロダイバーシティと大人の
発達障害
発達障害の特性は「苦手」という視点で捉えられることが多々ありますが、「発達障害の特性は脳の多様性のひとつ」という考え方を取り入れると、「得意」にあたる特性も同時に存在していることに気づくでしょう。たとえば、誰しもが幼少期から苦手だったことがある一方で、得意だった・好きだったこともあったはずです。
みんなの得意と苦手を見てみよう!
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≪周囲の方へ≫
ニューロダイバーシティでは全員が当事者、発達障害の有無とは無関係
発達障害の特性を脳の多様性と捉えてみると、強弱や傾向の差こそあれ、全ての人に何らかの特性がある、ということに気づくのではないでしょうか。
たとえば「他人の気持ちを想像するシーン」を考えてみてください。相手の顔色まで深読みする人、楽観的であまり考え込まない人、その場では考え込まなくても、あとから考え込む人—、身近な人や、もしかしたらあなた自身にあてはまると感じたりしませんか?
人はみな、それぞれの考え方、行動の仕方に「多様性=違い」を持って実は生まれてきています。そしてその違いは、それぞれの「得意」にも「苦手」にも繋がっています。「苦手」に対するサポートはもちろん重要ですが、同時に「得意」にもしっかり目を向けて、どちらも互いに尊重し合うことが大切です。
「発達障害があるかないか」という狭い考え方ではなく、「すべての人が多様性というグラデーションで地続きにつながっているのだ」と捉え、お互いを認め尊重しあえたら、誰もが生きやすく、もっと豊かな社会につながるのではないでしょうか。
大人の発達障害ナビでは「多様性というグラデーション」を実際に体感できるコンテンツを今後公開する予定です。
日本橋ニューロダイバーシティプロジェクトについて
ニューロダイバーシティという考え方は、世界中で浸透してきています。しかし日本ではまだまだ知られていない考え方です。
そこで、タケダは、ニューロダイバーシティの考え方を啓発し、すべての人が互いの違いを認め尊重し合う社会の実現を目指して、2022年10月に『日本橋ニューロダイバーシティプロジェクト』を立ち上げます。
日本橋は、古くは五街道の起点として、全国各地から多種多様な人材や知見が蓄積された地であり、現在では多くの企業が集う日本有数のオフィス街です。この地から、私たちはニューロダイバーシティが日本のスタンダードになり、誰もが生きやすい社会に繋がっていくよう、取組みを進めていきます。
今後、ニューロダイバーシティの考え方に賛同する企業・団体と共に、啓発冊子のデジタル配布、ワークショップ開催などの活動を展開していきます。詳細は下記の特設ウェブサイトをご覧ください。
『日本橋ニューロダイバーシティ
プロジェクト』について詳しくはこちら
- 経済産業省.「ニューロダイバーシティの推進について」.経済産業省HP.2022-04-08.
https://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/diversity/neurodiversity/neurodiversity.html
(参照2022年9月9日) - Harvard Business Review.「ニューロダイバーシティ:『脳の多様性』が競争力を生む」.
https://dhbr.diamond.jp/articles/-/5042
(参照2022年9月9日)